市民社会スペースNGOアクションネットワーク(NANCiS)概要

(2021年2月7日更新)

1.趣 意
近年、NGO を取り巻く環境は厳しさを増しています。本来、平和で公正な社会をつくるために、グローバルな課題に取り組むことがNGO の役割ですが、そのためには、政府や企業から独立した市民社会の活動の自由が不可欠です。しかし、2013年の秘密保護法、2015年の安保法制、2017年の共謀罪法など、一連の安全保障関連の法整備によって市民活動組織の自由が直接・間接に制約される恐れ、市民社会組織自身が自由な活動を萎縮させる恐れが生じています。加えて、ヘイトスピーチにみられるように、多様な文化や価値観を認めない排外主義的な風潮が社会に浸透し始めています。こうした、政府の政策と社会の風潮が相まって、市民社会の自由な活動領域、すなわち市民社会スペースが狭められていく傾向が生じています。

私たち国際協力NGO は、2013年12月に成立した特定秘密保護法に反対し、この法律によるNGO に対する負の影響を回避するために、2014年4月に「秘密保護法NGOアクションネットワーク」(以下「NANSL」)を設立し、活動してきました。NANSL は、NGOの活動の自由を守り推進するために、安保法制に反対するNGOのネットワークであるNGO非戦ネットと提携し、市民活動を監視・捜査・処罰の対象とする恐れのある共謀罪法に反対する声明を発表するなど、特定秘密保護法に限らず、市民社会スペースが狭められる恐れのある動きに対して否の声を表明してきました。

一方、全国各地で増加傾向にある、行政によるNGO活動に対する陰陽様々な形での圧力に対処する必要に迫られてきました。行政の圧力は、平和に関わるNGOへの委託・後援の取消や公共施設利用の拒否、共謀罪など政府政策を批判するNGOへの警告といった形で現れてきています。加えて、私たちはグローバル課題に取り組む中で、海外の市民社会組織が日本と同様に市民社会スペースの危機に直面していることを知り、強い危惧の念を抱いてきました。テロ対策を名目とした市民活動の監視や規制、行き過ぎた自由貿易によって加速する格差や環境破壊、人権抑圧、土地収奪とこれらの問題に抗する市民社会組織への弾圧が市民社会スペースの危機を猶予ならないレベルにまで押し上げています。人類と地球の危機を回避するために「今変革が必要である」と謳ったアジェンダ2030とSDGs が、地球規模課題の解決には市民社会の自由な活動が不可欠であると明示しているように、市民社会スペースの確保は今、グローバルな課題になっています。私たちは、各国の市民社会組織と連携しつつ、足元の日本で市民社会スペースを守り、NGOの自由で効果的な活動が保障されるよう、NANSL の活動を引き継ぎ、さらに市民社会スペース全般の課題に対応すべく「市民社会スペースNGOアクションネットワーク」(NANCiS)の設立を呼びかけます。

2.名 称
本ネットワークは「市民社会スペースNGOアクションネットワーク」と称します。英語名は「Japan NGO Action Network for Civic Space」、略称は「NANCiS」と称します。

3.目 的
1)【市民社会スペースの推進とアドボカシー】
私たちは、国内外の社会・政治・経済さまざま課題の解決のためには、市民社会の自由な言論・活動のための社会空間(市民社会スペース)の保障が不可欠であり、不断に拡充されることが必要であると考えます。本ネットワークでは、市民社会スペースの保障と拡充に向けて、NGOをはじめとした市民社会や、政府など多様なセクターに対して問題提起、啓発、情報発信、政策提言等を行うとともに、市民社会スペースに悪影響を与える動きに対して、人権条約をはじめ国際的な人権規定に照らして、監視・提言・抗議等、負の影響に歯止めをかけるために必要な活動を行います。

2)【市民社会スペースに関わる学習・情報交換とNGO の救援】
市民社会スペースに関わる法制度や政策、社会状況や課題について学習や情報交換を行い、NGOの活動に支障をきたすことがないように備えます。また、特定のNGOの活動が市民社会スペースへの圧迫につながる恐れのある法律(特定秘密保護法、「共謀罪」法)等によって阻害された際には、協力して救援を行うとともに、阻害要因が排除されるよう努めます。

3)【国際協力NGO と他分野の市民社会組織とのコーディネーション】
これらの活動が効果的に行われるために、本ネットワークでは、構成団体であるネットワークNGOに加盟する個別のNGOや、ネットワークNGOに加盟しないNGOなどに対して関心、意識の喚起を促すとともに、国際協力NGO とさまざまな分野の市民社会組織との連携のハブ、オーガナイザーとしての役割を果たします。

4.活 動
1)市民社会の自由な言論・活動空間である「市民社会スペース」への理解促進と拡充のための活動
2)市民社会スペースに関する法制度や政策、社会状況や課題に対する監視、提言、抗議活動
3)NGOの対応力強化のための情報収集、情報共有、学習活動
4)NGOが被害を被った際の対応活動
5)他分野の市民社会組織との連携活動

5.構成・代表者・事務局
本ネットワークは、国際協力に関わるNGO のネットワーク組織(ネットワークNGO)を「構成団体」として組織されます。また、本ネットワークの趣意に賛同し、本ネットワークへの連名を希望する個別のNGO のために「賛同団体」(団体名の公表・非公表を選択できる)の制度を設けます。本ネットワークの活動を統括し、意思決定を行うために、各構成団体から選ばれた「世話人」を置き、世話人会を組織します。また、本ネットワークの代表者として、世話人の互選により、若干名の「共同代表」を置きます。世話人会には専門的な知識と経験をもつ若干名のコーディネーターとアドバイザーが置かれます。本ネットワークの事務局業務は、活動内容に応じ、世話人会と構成団体で共同して担います。

市民社会スペースNGOアクションネットワーク(NANCiS) 構成団体
北海道NGOネットワーク協議会
(特活)国際協力NGOセンター
(特活)横浜NGOネットワーク
(特活)名古屋NGOセンター
広島NGOネットワーク
(特活)NGO福岡ネットワーク
(特活)沖縄NGOセンター

世話人会(2020年度)
【共同代表】
石原 達也 認定NPO法人 国際協力NGOセンター 理事
八木  巌 特定非営利活動法人 名古屋NGOセンター 代表理事
【世話人】
小泉 雅弘 北海道NGOネットワーク協議会 理事
堀内  葵 認定NPO法人 国際協力NGOセンター アドボカシー コーディネーター
小俣 典之 特定非営利活動法人 横浜NGOネットワーク エグゼクティブ・プロデューサー/常務理事
赤澤 直樹 広島NGOネットワーク 事務局長
高橋 良輔 特定非営利活動法人 NGO福岡ネットワーク 理事
玉城 直美 特定非営利活動法人 沖縄NGOセンター 副代表理事
【コーディネーター】
谷山 博史
西井 和裕
加藤 良太
【アドバイザー】
今田 克司 一般財団法人 CSOネットワーク 代表理事
宇井志緒利 大学非常勤講師
高柳 彰夫 フェリス女学院大学 教授

連絡先
市民社会スペースNGOアクションネットワーク
東京都新宿区西早稲田2-3-18アバコビル5F
(特活)国際協力NGOセンター(JANIC)気付
TEL:03-5292-2911 FAX: 03-5292-2912 E-mailはこちら