(2024.10.22更新)
岐阜県大垣市で計画された風力発電施設の建設をめぐり、岐阜県警大垣警察署が市民の個人情報を収集し、建設を計画した業者に提供したのは違法であると、個人情報を収集・提供された市民が訴えた裁判で、警察の行為を違法と認めた名古屋高裁の控訴審判決(本年9月13日)が10月2日に確定しました。原告の市民側は判決を評価して9月27日に上告しないことを発表していましたが、10月2日に被告の岐阜県も上告しないと発表したことによるものです。
この訴訟は、岐阜県大垣市上石津町と不破郡関ケ原町に連なる山の尾根に、中部電力子会社である(株)シーテック(以下、業者)が建設を計画した大型風力発電施設について、これを懸念した地元住民が、大型風車の設置・稼働による健康被害、環境被害などに関する勉強会を開くなどしたところ、岐阜県警大垣警察署がこれらの地元住民や、脱原発運動などに関わっていた市民の個人情報を収集して業者に提供し、意見交換などを行っていたこと(大垣警察市民監視事件)が明らかになったことから、警察の行為は違法であるとして、個人情報を収集・提供された当事者が原告となり、2016年12月に岐阜県(岐阜県警)を被告に国家賠償請求訴訟を、2018年1月に岐阜県(岐阜県警)と国(警察庁)を被告に個人情報抹消請求訴訟を、それぞれ岐阜地方裁判所に提訴したものです。
原告らで組織する「「もの言う」自由を守る会」(岐阜県大垣市)は、名古屋高裁の控訴審判決を「画期的判決」と評価し、警察による市民の個人情報収集・保有・漏洩の違法性が明確になったとしています。詳しくは、「もの言う」自由を守る会など原告関係者による、岐阜県の上告断念(判決確定)にあたっての声明(10月2日付)をご覧ください。
▼岐阜県の上告断念にあたって(2024.10.2、「もの言う」自由を守る会)
また、「もの言う」自由を守る会のウェブサイトで判決書等の訴訟資料も公開されているので、そちらもご覧ください。
▼控訴審判決(2024.9.13、名古屋高裁)資料
大垣警察市民監視事件や大垣警察市民監視違憲訴訟の全般的な経緯や資料等についても、「もの言う」自由を守る会のウェブサイトに採録されていますので、ご覧ください。
▼「「もの言う」自由を守る会」ウェブサイト
https://monoiujiyu-ogaki.jimdofree.com/