市民社会スペースNGOアクションネットワーク(NANCiS/英名:Japan NGO Action Network for Civic Space)は、2014年4月に設立に設立された「秘密保護法NGO アクションネットワーク(NANSL)」の活動を引き継ぎ、より広範な国内外の市民社会スペース(=市民が自由に言論や活動を展開できる社会の活動領域)の課題に対応するため2018年5月1日に設立された、全国の国際協力NGOのネットワーク組織(ネットワークNGO)を構成団体、個別の国際協力等のNGOを賛同団体とするアクションネットワークです。
現在、国際協力NGO を含む市民社会が活動のよりどころとする市民社会スペースの状況は厳しく、国内外で悪化の一途をたどっています。NANCiSは、社会全体の市民社会スペースに対する認識を高め、市民社会スペースを「守り、拡げる」ための活動を行なっています。それにより、国内外で活動する市民社会の自由な活動環境を守り、地球規模課題の解決に「今、変革が必要である」と謳った2030アジェンダおよびSDGsの真の達成のために、市民社会の能力が伸びやかに発揮できる、自由で開かれた社会の実現を目指したいと考えています。
NANCiS は活動の性格上、ネットワークNGO(課題包括的・分野横断的なネットワークNGO)を構成団体としていますが、個別の国際協力等のNGOのみなさまも「賛同団体」として加わっていただけます。みなさまにはぜひ、構成団体あるいは賛同団体としてNANCiS にご参加いただき、ご一緒に市民社会の未来を拓いていくことができればと心より願っております。
NANCiSの活動イメージ
NANCiSの目的・活動
<目 的>
本会は、国内外において、市民社会の自由な言論・活動のための社会空間である「市民社会スペース」の自由が保障され、市民社会の自由で創造的かつ積極的な言論・活動が可能となるよう、(1)市民社会スペースの推進とアドボカシー、(2)市民社会スペースに関わる学習・情報交換とNGO の救援、(3)国際協力NGOと他分野の市民社会組織とのコーディネーション、により市民社会スペースの擁護と拡充に取り組むことを通じて、地球規模課題の解決に寄与し、人権が実質化され民主的な社会の構築に貢献することを目的とする。(規約第2条)
【(1)市民社会スペースの推進とアドボカシー】
私たちは、国内外の社会・政治・経済さまざま課題の解決のためには、市民社会の自由な言論・活動のための社会空間(市民社会スペース)の保障が不可欠であり、不断に拡充されることが必要であると考えます。NANCiSでは、市民社会スペースの保障と拡充に向けて、NGOをはじめとした市民社会や、政府など多様なセクターに対して問題提起、啓発、情報発信、政策提言等を行うとともに、市民社会スペースに悪影響を与える動きに対して、人権条約をはじめ国際的な人権規定に照らして、監視・提言・抗議等、負の影響に歯止めをかけるために必要な活動を行います。
【(2)市民社会スペースに関わる学習・情報交換とNGOの救援】
市民社会スペースに関わる法制度や政策、社会状況や課題について学習や情報交換を行い、NGOの活動に支障をきたすことがないように備えます。また、特定のNGOの活動が市民社会スペースへの圧迫につながる恐れのある法律(特定秘密保護法、「共謀罪」法)等によって阻害された際には、協力して救援を行うとともに、阻害要因が排除されるよう努めます。
【(3)国際協力NGOと他分野の市民社会組織とのコーディネーション】
これらの活動が効果的に行われるために、NANCiSでは、構成団体であるネットワークNGOに加盟する個別のNGOや、ネットワークNGOに加盟しないNGOなどに対して関心、意識の喚起を促すとともに、国際協力NGO とさまざまな分野の市民社会組織との連携のハブ、オーガナイザーとしての役割を果たします。
<活 動>
(1)市民社会スペースへの理解促進と拡充のための活動 |
・市民社会スペースの現状や課題への理解を広げるイベントの開催 ・構成団体、賛同団体との協力による勉強会等の開催 |
(2)市民社会スペースに関する法制度や政策、社会状況や課題に対する 監視、提言、抗議活動 |
・国内外の市民社会スペースの状況に関するモニターおよび声明等の発出 ・市民社会スペースに関する政府、国際機関等への政策提言 |
(3)NGOの対応力強化のための情報収集、情報共有、学習活動 |
・市民社会スペースに関する事案の収集および調査研究 ・対応力強化に向けたノウハウの蓄積やNGOへの普及活動 |
(4)NGOが被害を被った際の対応活動 |
・弁護士等の専門家と連携した緊急時の対応 ・日常的な相談・支援を含めた包括的なNGOサポート体制の整備 |
(5)他分野の市民社会組織との連携活動 |
・(1)〜(4)の活動での他分野の市民社会組織との連携強化 ・国際的な市民社会スペース擁護に向けた海外・国際NGOとの連携強化 |
(6)その他、目的の達成に必要な活動 |
・(1)〜(5)の円滑かつ持続的な活動に向けた、 運営体制の整備および資金調達 |