民主主義共同体(CoD)事務総長の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する声明のご紹介

民主主義を共通の価値・規範とする世界100カ国以上が加盟する政府間機関「民主主義共同体(Community of Democracies/CoD)」が、さる4月3日、トーマス・E・ギャレット事務総長名で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行(パンデミック)に際し、特に民主主義や国際的な人権規範の尊重・順守を呼びかける声明を出しましたので、以下、NANCiSによる仮訳にてご紹介します。

CoDには日本政府も加盟し、約30カ国からなる運営理事会の一員として機関をリードする立場にあります。また、CoDには市民社会の参加が盛んであり、日本の市民社会からは「Civil Society Pillar」という立場で、NANCiSのアドバイザーでもある今田克司さんが参加されています。


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)世界的流行の影響に関する
トーマス・E・ギャレット事務総長の声明(*1)

民主主義共同体(Community of Democracies/CoD)(*2)は、民主主義は次々と勝利を得るだけではなく、変化と新たな課題に直面しているという考えのもと、2000年に設立された。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行は、社会的、経済的、政治的な領域を含む社会生活のあらゆる側面に大きな影響を与えてきた。 公衆衛生の観点から、多くの国々は急速に変化する状況に対処するために迅速に行動しなければならなかった。そのためには、特別な措置を講じる必要があり得るかもしれないが、民主主義国家においては、緊急立法は一時的なものであり、公共の利益の目的に比例したものであるべきであり、ワルシャワ宣言(*3)で謳われている民主主義の原則、および国際法および人権基準の下での国家の義務と一致したものであり続けるべきである。

(2020年4月3日CoDウェブサイト掲載)


*1. 本文は https://community-democracies.org/?p=8528 に掲載。
*2. 民主主義共同体(Community of Democracies/CoD)については、今田克司(2017)「民主主義共同体とシビック・スペース」『ハフポスト』2017年9月23日付記事. https://www.huffingtonpost.jp/katsuji-imata/community-of-democracies_a_23220098/ が詳しい。
*3. ワルシャワ宣言は、2000年6月27日〜28日にポーランドのワルシャワで開かれた「第1回民主主義共同体閣僚級会合」にて採択された宣言。CoDの設立を規定している。本文は https://community-democracies.org/app/uploads/2017/02/2000-Warsaw-Declaration-1-1.pdf に掲載。